第2回 AI画像認識システム導入の流れ

課題ヒアリングから運用開始まで

はじめに

前回の記事では、「AI画像認識は中小企業でも導入できるのか?」についてご紹介しました。

実際にお客様からご相談を受ける際、

  • どのような流れで開発が進むの?
  • 開発期間・費用はどれくらい?
  • 何を準備すれば良い?

といったご質問をいただくことがあります。

今回は、当社でAI画像認識システムをご提案する際の一般的な流れをご紹介します。

AI画像認識システムの流れ

AI画像認識開発は「課題」から始まる

多くの方は「AIを導入したい」というご相談をされます。

しかし私たちは、まず、「何に困っているのか」をお聞きするところから始めます。

例えば、

  • 検査員が不足している
  • 監視作業を自動化したい
  • 手作業によるミスを減らしたい
  • 入退室管理を強化したい

などです。

実際には、AIを使わない方が良いケースもあります。

そのため最初はシステムの話ではなく、現場の課題を整理することが重要です。

AI画像認識システム導入のステップ

STEP1 課題のヒアリング

お客様が抱えている課題について詳しくお伺いします。
この段階では仕様書は必要ありません。
むしろ、

  • 現場で何が起きているのか
  • 何が負担になっているのか
  • どのような結果を期待しているのか

を理解することを重視しています。

STEP2 プロトタイプ開発・技術検証

AI画像認識の開発で最も重要な工程です。
一般的な業務システムの場合、ヒアリング後すぐに見積りができることもあります。
しかし画像認識では、

  • 本当に識別できるのか
  • どの程度の精度が出るのか
  • 現場環境で利用可能か

を確認する必要があります。AI画像認識では、仕様策定やお見積もりよりも先に「本当に出来るのか」を確認することが重要です。
そのため当社では、小規模なプロトタイプを作成し、技術的な実現可能性を確認することがあります。

STEP3 仕様策定

技術検証の結果をもとに、システム仕様を整理します。
例えば、

  • 何を検出するのか
  • どの精度を目標にするのか
  • 異常時はどのように通知するのか
  • 運用方法はどうするのか

などを決定します。
この工程をしっかり行うことで、開発開始後の手戻りを減らすことができます。

STEP4 開発計画・お見積りご提案

仕様がまとまった段階で、

  • 開発スケジュール
  • 開発費用
  • 保守内容

をご提案します。
技術検証前に見積りを行うことも可能ですが、内容によっては精度が下がることがあります。そのため、技術検証後の方がより現実的なお見積りをご提示できます。

STEP5 開発

確定した仕様に基づいて本開発を進めます。
必要に応じて、

  • AI学習
  • システム開発
  • データベース構築
  • 既存設備との連携

なども実施します。

STEP6 ユーザーテスト

システムが完成したら、実際の運用環境に近い状態で確認を行います。
例えば、

  • 検出精度
  • 操作性
  • 通知内容

などを確認し、必要に応じて調整を行います。

STEP7 納品

テスト完了後、本番環境へ導入します。
システムは納品して終わりではありません。利用方法のご説明や運用サポートも重要な工程となります。

STEP8 保守・改善

運用開始後に、

  • カメラ環境の変化
  • 業務内容の変更
  • 精度向上の要望

が発生することがあります。
そのため当社では保守・改善を通じて、長期的な運用をサポートしています。
また、運用開始後に新たな課題が見つかった場合には、追加機能や改善提案を行うこともあります。

契約形態について

AI画像認識系统的導入では、開発の各段階(開発フェーズ)に応じて契約形態が変わります。

フェーズ1

コンサルティング契約

AI画像認識システムでは、いきなりシステム開発を始めることはほとんどありません。

まずは、「現場課題の整理」、「技術検証」、「プロトタイプ開発」、「システム仕様の検討」を行います。

この段階を当社ではコンサルティング契約として進めています

実際にシステム開発が始まるとお客様と開発チームの間に入って情報のやり取り精査を行い、システムの納品までの工程管理もコンサルティング契約の範囲としています。

フェーズ2

受託開発契約

技術検証を行い、「実現可能性」、「開発内容」、「スケジュール」が明確になった段階で本開発へ進みます。

この段階から受託開発契約としてシステム開発を実施します。

フェーズ3

保守契約

システムは納品して終わりではありません。

運用開始後も、「OS更新」、「カメラ交換」、「運用サポート」、「軽微な改善」などが発生するため、継続的な保守契約をご提案しています。

運用開始後

改善・機能追加のご相談

運用を開始すると、「別の工程にも適用したい」「新しい検査項目を追加したい」「精度をさらに向上させたい」というご相談をいただくことがあります。

その場合は再度コンサルティングを行い、改善や機能追加、新たなシステム開発のご提案をしています。

まとめ

AI画像認識システムの導入は、単にシステムを開発するだけではありません。

重要なのは、「AIを導入すること」ではなく「現場の課題を解決すること」です。

そのため当社では、課題のヒアリングから技術検証、運用開始後の改善まで一貫してサポートしています。

AIや画像認識に興味はあるものの、

  • 何から始めれば良いかわからない
  • 自社で導入できるのかわからない

という段階でも構いません。

まずはお気軽にご相談ください。

次回予告

次回は
「AI導入で失敗する会社と成功する会社の違い ~20年以上の開発経験から見えたこと~」
をご紹介します。